シュッピン株式会社

営業本部 MapCamera営業部
部長
新井 奈津希(あらい・なつき/左)
セールスグループ マネージャー
三瓶 翔太郎(さんぺい・しょうたろう/右)

“シェアリングエコノミー”が注目される背景には、これまでの大量生産・大量消費という流れに対するアンチテーゼがある。“価値あるモノを埋もれさせない”という基本理念を実践し、中古カメラや時計、万年筆、ロードバイクなどの買い取り、販売を実施するECサイトを展開するシュッピン株式会社が注目を集めるのも、そんな時代のニーズを先取りしてきたからといえる。同社が運営する「マップカメラ」の部長、および店舗マネージャーに話を伺った。

  1. 高い柔軟性を持つ、カスタマイズ性

  2. 接客ツールとしてタブレットを利用し、視覚的アピールが可能

  3. 在庫切れ後のアプローチもすばやい代替商品の提案で販売機会の喪失を防ぐ

  4. 集計業務などのバックオフィス業務も非常にスマートかつ効率化

いくつものチャレンジが業界常識を覆す

世界的なシェアリングエコノミーの隆盛により、中古市場が活況を呈している。特に“不要なモノ”の処分という観点ではなく、“価値あるモノ”を再び市場に投入することで、さらなる付加価値を生み出す、高額商品の中古売買が注目を集めている。
シュッピン株式会社は、カメラや高級時計、万年筆やロードバイクといった、男性を中心とした趣味の領域における、価値ある中古アイテムをインターネット上で売買する。特にインターネットだけではなく、実店舗も含めマルチに運営するカメラ専門ショップ「マップカメラ」は、新品も併せて常時1万7000点前後という驚異的な品揃えを実現。一般ユーザーのみならず、プロ・カメラマンの高度なニーズに応えながら、現在の中古カメラブームを牽引してきた。

「デジタルカメラに関してはカメラメーカーの努力もあって、毎年、魅力的な新製品が登場しています。中古カメラは元来、ユーザーの買い替え需要を支えてきましたが、現在のデジタルカメラブームが、それにさらに火をつけた感はあります」というのはシュッピン株式会社の新井奈津希氏。この市場が成立するには、中古品であってもユーザーが安心して購入できる、そんなクオリティが担保されてのことだと指摘する。
「当社の中古品には、安心してお使いいただけるよう、メーカー保証同等の1年間の保証期間を設けています。業界では前例のないことでしたし、当初は社内でも“大丈夫か?”との声もあがっていました。しかし会社としてチャレンジしたことが功を奏し、一気に購買層が拡大したと実感しています」と三瓶翔太郎氏はいう。
もちろん、保証期間の拡大を現実的なものとするためには、優れた中古品を収集するという前提がある。しかも、日々入荷する中古品の数が少ないようでは集客はできない。「優れた中古品が個人ユーザーのご家庭に埋もれないためにも、買い取りのしやすさを実現するのが重要だと考えました。当社では上限価格で買い取る“ワンプライス買取”という制度を設け、ネットの“先取り交換サービス”と併せて、カメラを売りやすい環境を作っています。従来であれば、ユーザーがカメラを送って査定をしてもらい、差額を支払って新たなカメラを手に入れるというフローだったのですが、弊社の制度を活用すれば、欲しいと思った時にすばやく目的の品物を手に入れることができるようになります」
このスムーズな買取システムが、毎日、300~350アイテムもの新入荷に繋がり、“欲しいモノがきっと見つかる”マップカメラの人気を不動のものとした。そして優れた中古品が埋もれることなく、新たな価値を持って市場に再投入されるという、好循環を生み出したのだ。

Orange EC採用の決め手は高い柔軟性にあった

シュッピン株式会社が基幹システムの刷新に着手したのは2013年9月のこと。これまで、常に時代の変化を見極めながら、新たなビジネスにチャレンジを続け、成長を果たしてきた同社だからこそ、相次ぐ増設や改修によって、基幹システムも複雑な状態になっていたのは確かだ。もっともネックになっていたのは、大きくビジネススタイルが違った各部門間のデータの連携がスムーズではなかったこと。来るべく将来に備え、新たなシステムへの刷新は必須の段階にあった。
「せっかく新しくするならば、実店舗のPOSも入れ替えようという話になりました。それまでは据え置き型のPOSがひとつのフロアに一台しかなく、混雑時にはお客様をお待たせしてしまう状態に。また、内装が洗練されたブティックのような店舗だったので、もう少しスタイリッシュに接客をしたいという思いがありました」(三瓶氏)

基幹システム全体を担当するシステム会社を通じ、POS領域の構築には株式会社エスキュービズムがアサインされた。EC-Orangeを選んだポイントは、オフラインでの会計処理が可能であったこと、そしてWindowsにも対応できたという点などがあったという。

「ちょうどsurfaceが登場した時期でした。iPadを使用したPOSはすでに他の企業でも導入されていましたし、少し違うものをやりたかったという気持ちもありました。システム管理者サイドからすると、OSが勝手にアップデートされてしまうiOSではなく、ある程度のコントロールが利くWindowsの方がいいだろうという認識があったと聞いています」(新井氏)
さらに作り込みの段階でわかったことですが、EC-Orangeが持つカスタマイズ性、すなわち柔軟性の高さも優位点になったという。
「別な会社が構築する基幹システムに対し、柔軟に対応しなければなりませんでしたが、株式会社エスキュービズムのご担当者様が、しっかり私たちの意向を吸い上げ、システム会社側と調整を図ってくださいました」(新井氏)

部門間の業務フローの違いや、現金、カードのみならず、下取りやポイントなど、多種多様に用意された支払方法への対応など、様々な困難が存在。それらを共に乗り越えながら、約1年半の期間を経て、新システムが立ち上がったのだった。

タブレットPOSが販売手法を大きく変えた

決して順調とはいえない、困難な道のりではあったが、現場サイドからすると、導入効果の大きさは計り知れないという。

「お客様に対するアプローチが根本的に変わりました。やはり可動式レジは画期的ですね。カウンターの上に何も置かれていない、整然とされた状態から、必要に応じてタブレットレジが出現する。その所作自体がスタイリッシュですし、その場で弊社のECサイトやフォトプレビューサイトをご覧いただくことが可能となりました。言葉を尽くして説明するだけでなく、作例の写真をお見せして視覚的にアピールができるようになりました」(三瓶氏)
ECを主体とするため、EC上の販売活動による在庫の変化も激しい。以前は、実店舗における対面販売において、在庫の有無をレジとは別のPC端末で確認しなくてはならなかったという。 「今は、タブレットでECサイトをお見せしながら、リアルタイムに在庫の状況を確認できる。レスポンスが各段にあがったのは言うまでもありません」(三瓶氏)
さらに、“在庫切れ”後のアプローチも大きく変化した。
「これまでだったら、『ただ今在庫を切らしております。申し訳ございませんが、ご予約を承らせていただきます。』と案内をしていたところが、その場で次のステップを踏めるようになりました。すばやく代替商品をご提案することで、当日の販売機会の損失を防ぐことができるようになったのです」(三瓶氏)

もちろん、現場のみならず本部サイドも管理上のメリットを実感しているという。
「販売現場のメリットを重視して導入したEC-Orangeではありますが、各種集計などバックオフィス業務も非常にスマートかつ効率化されました。もちろん、今が完璧なシステムであるとは思っていませんが、今後私たちがチャレンジすべきと考える施策にも対応し得る、そんな可能性を備えたものとなっているのは間違いありません」(新井氏)

今後の施策、それはECサイトと実店舗が有機的に連動するオムニチャネル化を視野に入れてのことだという。ネット上で決済をしても、配送されるのを待ちきれずに、すぐに商品を手に入れたいと考える、そんな購買者心理が確実に存在するというのだ。
「特に高額な商品ほどそういった傾向が見られます。汎用的なものから、“ビンテージ”と呼ばれる商品までも幅広く扱う弊社ならではの特徴なのかもしれません」(三瓶氏)

最後に小売りのミライというテーマで、会社の展望について語っていただいた。

「会社としては、中古を販売するEコマースにおけるNo.1企業を目指しています。中古品が世の中に流通するという流れを、さらに活性化することでそれが実現できると考えます。そのためにはユーザーが中古品を売却しやすい環境を作り、優れた商品を埋もれさせないこと。新たな価値を生み出すべく原石を探しあてることが、私たちの社会的ミッションであると自覚しています」(新井氏)

Map Camera 本館

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