株式会社ムトウユニパック

eコマース事業部 ネット販売課
課長代理 松本幸一郎 様

近年のITの進化とともに、止まらない現代人の紙離れ。スマートフォンの普及に伴い、SNSやメッセージツールを用いた新たな形のコミュニケーションが当たり前になり、人々が手紙を出す機会は著しく減っています。 そんな現代だからこそ、紙や封筒のコミュニケーション文化を再び多くの人に伝え、発信していきたいと、紙製品メーカーであるムトウユニパックではECサイトを使った新たな取り組みを進めていらっしゃいます。 今回はムトウユニパックオンラインショップのリニューアルで、EC-Orangeをご採用頂いた背景や今後の展望について、ECサイトの開発から運営まで、プロジェクトの中心人物の一人である松本氏にお話しを伺いました。

  1. BtoBとBtoCに対応し二つの価格帯を保持できるシステム

  2. 小数点を含む商品価格を設定出来るようにカスタマイズ

  3. オリジナルの印刷加工商品の注文をECサイトで受けることで、業務効率化を図る

  4. 通販サイトを超えた【ECサイト=自社メディア】化を目指して

他社メーカーとの差別化を目指し、封筒の枠を超えたオリジナル商品の開発

――始めに、ムトウユニパック様についてや、製品の特長について教えてください。

弊社は創業68年の紙製品メーカーです。製品としては、主にビジネスシーンで活躍するコミュニケーションツールを販売しております。お客様は関東・甲信越地方の印刷会社様や、事務用封筒を多く使用される企業様や団体様が中心になります。
元々は封筒の町工場から始まりましたが、時代の変化にも伴いまして、名刺やカード、手提げ袋、カレンダーなども取り扱うようになり、最近では企業様の販促物などの製品も手掛けています。

未知なるオムニチャネルへの挑戦

顧客に対する愛情と配慮を追求するファミリアが、実際の利用者である子どもだけでなく、その親の利便性についても考えが至るのも当然のこと。育児と仕事に追われる顧客をサポートしようと、これまでにも様々なアプロ―チを試みてきた。
「ファミリアは早い時期からカタログ通販に取り組んできました。もちろん、ECについても、まだ今のようにパッケージ製品が世の中に存在しない時代からスクラッチで開発。いわゆるEC黎明期から取り組みを開始し、順調に拡大していったという経緯があります」
商品開発と同様、顧客とのタッチポイントについても、常に時代の移り変わりに伴うライフスタイルの変化を捉えながら研究を続けてきたという同社。独自に用意したメンバーズシステムから顧客の購買行動の変化が見えてきたという。

封筒という商品は、非常に他社様の製品と差別化しづらい商品です。原資となる紙や形に至ってもほとんど同じなため、各メーカーとも差別化といったことに関しては苦戦しているところです。
だからこそ弊社では、封筒商品以外の部分で特色を出していこうとしております。例えば、販促物などのSP商品の取り扱いを業界内でもいち早く始めたり、最近では手提げ袋も多く取り扱っていますので、そういったところは他社様とは違う部分になります。

BtoBとBtoCのどちらにも対応できるECサイトにすべくリニューアルを検討

――今回ECサイトをリニューアルするに至った、経緯を教えてください。

元々今から5年半ほど前に、最初のオンラインショップを無料のオープンソースを使って立ち上げました。当時のECサイトは、通販サイトとしては簡易的なもので、価格も一般価格だけで印刷会社様向けの価格ではありませんでした。しかしこのオンラインショップにより、弊社の営業エリア外の遠方の印刷会社様からもたくさんのお問い合わせをいただくようになりました。そこで、印刷会社様からと一般のお客様からの、どちらの注文にも対応できるようにECサイトの充実度を高めようとしたのが最初のきっかけになります。

――当時のECサイトの機能面で何か課題等があったのでしょうか?

はい、当時機能面として課題として感じていたことは大きく三つあります。

一つめは、価格の設定に関してです。封筒は単価にすると、一円何十銭という世界なのですが、元々使っていたオープンソースパッケージの標準機能では小数点を含む価格の設定ができませんでした。
二つめの課題は価格帯に関してです。印刷会社様からの引き合いもECサイトを通じて増えたのですが、印刷会社様向けの‟卸価格"と、一般のお客様向けの‟一般価格"という、二つの価格帯の設定ができないという課題がありました。それ故に、印刷会社様はネットを見てお問合わせしてくださっても、その後メールやFAX等で注文されていましたので、結局はネットをご利用いただけないという状態でした。

三つめの課題は、これが一番大きな理由なのですが、当時のECサイトは物販のみにしか対応できなかったということです。弊社は印刷の加工を施したオリジナルの封筒などの販売も行っているのですが、ECサイトでは印刷加工の注文を受けることができませんでした。そのため、リニューアルでは印刷を施した加工品の注文も受けられるようにしたいという思いが、強くありました。

細かい要望への的確な提案が決め手。
WEB完結型の印刷加工注文の仕組みが完成

――リニューアルにあたって、弊社のEC-Orangeをご採用いただいた決め手は何でしたか?

EC-Orangeが、元々使っていたオープンソースとの優れた互換性を持ったECパッケージであるという点が大きかったです。
リニューアルによって、元々使っていた管理画面の操作等が一から変わるとなると大変だと感じておりました。しかしEC-Orangeだと、そういった変化も少なくすむのではと考えました。また、元のECサイトで保持していた会員情報等のデータ移行もスムーズに行えるのも良い点でした。

もう一つは、エスキュービズムさんは選考に挙がっていた会社様の中で、一番弊社の要件への理解度が高く、ご提案がスマートだったという点です。
印刷の料金算出方法等はどうしても複雑な仕組みになっておりまして、一度ご説明してもなかなか伝わりにくいということがありました。しかし、そういった料金算出ロジックについても、ご理解が早く「こうしたいです!」という要望に対して、すぐに「ではこうしましょう」と的確なご提案を頂き、とてもスムーズに話が進みました。そういったやり取りがあり、開発への不安が拭われたのが実は大きな決め手になりました。

――リニューアルをされて、実際に運用を開始されてから約1年が経つかと思うのですが、リニューアルして一番変わったことはどんなことでしょうか?

今回のリニューアルで、印刷加工の注文をオンラインショップでも受けられるようにカスタマイズして頂いたのですが、同時にプレビュー承認という機能を作っていただきました。これは、印刷の加工を施す前にお客様に実際の印刷の確認用データを見て頂いて、承認をいただくという行程に使う機能になります。

今まではこの機能がなかったため、メールにて確認用データをお送りして、メールでお返事をいただくということを行っており、とても手間と時間がかかっていました。しかし新たなプレビュー承認機能では、会員の方のマイページに確認用データをアップロードして、ご確認いただいたらボタンを一回押していただくだけで承認が完了するという、WEB上で全てが完結する仕組みになりました。ボタンが押されると、「承認しました」というメールが弊社側に自動で届きますので、今までかかっていた手間と、送り忘れのミス防止にもなっており非常に良かったと感じています。

今後は自社メディアの立ち位置で、
製品プロモーションの役割も担ったECサイトへ

――それでは逆にリニューアルされたECサイトを運用してみて、新たに出てきた改善要望などありましたら、聞かせてください。

そうですね、今のサイトの改善点として、もっとお客様が簡単に商品を探せるサイトにしなければと考えています。
リニューアル前と比べて、改善された部分はもちろんあるのですが、まだ少し使いづらいという意見もあります。特に、印刷加工付きの商品に関しては、封筒自体の大きさ、紙の種類、厚さ、貼り方、郵便枠ありなし、テープありなし等、選択すべき項目が非常に多く、注文のフローをもっとスムーズにすべきと感じています。

あとは、商品充実度に関してですが、今後は事務用の封筒だけでなく、一般のお客様がパーソナルユースで使っていただけるような商品を、一つでも多く出していきたいということを考えています。
実は今回、ECをリリースした時に「封筒女子部」というユニットを立ち上げ、同時に活動を開始しました。弊社女性社員で構成したユニットです。この「封筒女子部」プロデュースで次々と新商品を開発し、ECサイトで販売をしています。

――「封筒女子部」とはまた面白い企画ですね。どんな活動をされているのですか?

封筒女子部はデジタルの時代だからこそ、紙や封筒でのアナログなコミュニケーションを皆さんに伝えていきたいという思いを持って、Twitterを上手く活用しながら、コミュニケーション活動をしています。ありがたいことに反響も大きく、ムトウユニパックよりも封筒女子部の方が、認知度が高いのでは?というほどにまで成長してきました。
例えば、Twitter上で直接新商品企画の依頼が来たり、企業間コラボレーションが生まれたりなどです。一例をご紹介しますと、あずきバーで有名な井村屋さんとコラボして、ノベルティグッズを制作したり、東急ハンズの豊洲店さんでワークショップを開催させていただいたりなどです。

この封筒女子部の積極的な活動を、ECの売上にもつなげたいと思っており、事務用封筒以外の商品の開発を進めています。
最近でいうと、「宴会封筒」「月謝袋」「集金袋」という商品を封筒女子部プロデュースでリリースしました。これは、集金しやすいようにチャックの付いた封筒なのですが、封筒の中がコーティングされているので、非常に丈夫で、何度も開け閉めできるようになっています。
紙だと集金した際に、小銭が中で動いてだんだんと紙が傷んできたり、封筒の開け閉めもテープなどで行いボロボロになってきたりすることがあるのですが、そんなお悩みを解消する封筒になっています。また、集金袋は表の項目を自分で好きに記入できるようにもなっています。
今までありそうでなかった商品ということもあってか、反響もとても良く、すでに弊社ではヒット商品の一つになっています。
事務用の封筒メーカーであっても、ちょっと新しい封筒の使い方を女性ならではの視点から考えて、新たな商品を提案していきたいという思いがあります。

――なるほど、確かにありそうでなかった新しい封筒ですね。私も使ってみたいです。今後のオンラインショップでの展望はどんなことをお考えですか?

ECサイトでは、新しい封筒の利用価値を沢山の方にご提案できたらと思っています。特別新しい商品でなくても、お客様の気持ちを考え、利用シーンをどんどんご提案し、コミュニケーションを重ねていくことが、競合優位性を維持し、他社との差別化にも繋がるものと確信しています。

またそういった自社のブランディングと広報活動も含めて、ECサイトが役目を担っているところは非常に大きいと思います。
今まであった商品の価値を再度見直し、リ・デザインして新たな価値として販売していくことを、ECサイトと封筒女子部を絡めて今後も積極的に行っていきたいと考えています。

ムトウユニパック オンラインショップ
http://www.mutoh-u.jp/
封筒・カード・挨拶状などの主力製品はもちろん、オリジナルの印刷加工付き商品の注文もできる、ムトウユニパックのオンラインショップ。