店舗のホスピタリティをECでも。
専門家が選ぶ、我が家の犬・猫に最適なペットフード。
ロイヤルカナン ジャポン合同会社 様
ロイヤルカナン ジャポン合同会社 様
現代において、家族の一員として、我々人間のそばにいてくれる大切なペットの存在。そんな愛犬・愛猫の健康を願うすべてのペットオーナーのために、ペットフードメーカーのロイヤルカナンは2014年『マイ ロイヤルカナン』を立ち上げました。今回、ロイヤルカナン公式オンラインショッピング & コミュニティサイト構築の経緯や、込められた想い、今後の展望などを、プロジェクト責任者の柴田様にお伺いしました。
ロイヤルカナン様の事業内容や製品について教えていただけますでしょうか。
ロイヤルカナンは1968年、南フランスの獣医師 ジャン・カタリー博士によって誕生しました。「Dog and Cat First – すべては犬と猫のために」というコンセプトのもと、犬と猫の健康を‟食"で支えるための、ペットフードを開発・販売しております。
弊社のフードは、創業以来ずっと、ペットオーナーの目線ではなく、「犬」と「猫」にフォーカスしており、世界中の獣医師、動物栄養学者、ブリーダーからの知見を集め、研究開発されています。
また、犬と猫は、年齢や体の大きさをはじめ、品種、ライフスタイルなど、個々に必要とされる栄養が異なることから、すべての犬と猫の栄養ニーズに配慮した製品開発を続けています。究極的に言えば、同じチワワという犬種であっても、Aさんの飼うチワワとBさんの飼うチワワは異なる2つの個体であると考え、そのどちらの子にもそれぞれに最適なフードを提供する、といったことを目指しております。そのために弊社の製品アイテム数は非常に多く、様々な条件によって細分化されたフードがあることも特長です。
なるほど、ロイヤルカナン様の研究や開発は日本でも行われているのでしょうか?
いえ、日本での研究や開発はおこなっておりません。ロイヤルカナン ジャポンで取り扱っている製品は、本社のあるフランスを中心として開発され製造されたものになります。
しかし、日本由来の犬種、例えば柴犬専用フードなどは、日本の柴犬ブリーダーの方と協力し海外で開発した日本発のフードになります。最初は日本を中心に広がった犬種ですが、現在柴犬は世界中でも人気の犬種となっていますので、ほかの国でも「シバイヌフード」として販売されています。また逆に、日本ではあまりメジャーでないため、海外では販売されているけれども日本ではまだ販売されていない犬種・猫種の専用フードもあります。
このように、国の垣根を越えて、世界中の犬と猫が健康になることを考え、世界中の専門家の知見を集めて日々研究と開発が行われています。
『マイ ロイヤルカナン』の立ち上げに至った経緯について聞かせてください。
従来、ペットオーナー様が最適なペットフードを探す際は、ペット製品を扱う専門店へ足を運び、専門店スタッフとコミュニケーションを取り、製品を選んでいただいていました。しかし、ロイヤルカナンが今まで培ってきた専門店との関係性を活かしながら、インターネットというツールを使って、専門店とペットオーナー様の出会いの場を提供し、さらに多くの犬と猫にとってのより良い世界をつくり上げられないかという思いがありました。
加えて、弊社の製品は種類がとても多いため、専門家が最適なフードを選定・販売し、お客様に最適なフードを届けるというポリシーがあります。また、ペットオーナー様からも「自分で選ぶのは難しいことも多いため、専門家に選んで欲しい」というニーズがありました。そんな中、どうECサイトを構築して、自社の販売ポリシーとお客様のニーズに向き合うかがポイントでした。
複数のECパッケージの中から、EC-Orangeをご採用いただいた理由はどういったところにありましたか?
パッケージ選定でのポイントは、開発費用と企業の経験値ですね。オープンソースというところもEC-Orange選定の一つの大きな要素となりました。
多くのショッピングサイトとは異なり、ペットフードを取り扱っている点において、『マイ
ロイヤルカナン』では、購入者はペットオーナー様だけれど、実際の消費者はワンちゃん・ネコちゃんであるということを意識しなくてはなりません。ペットのことを考え、購入者以外の情報等も扱うということは、通常のパッケージでは賄えないカスタマイズの部分が多く必要でした。情報セキュリティやデータベースなど、様々な要素が入り組んだ状態で、一つのソリューションとして構築してもらえたことに、EC-Orangeの自由度の高さがうかがえましたし、我々にとって使いやすいパッケージであったと思います。
サイト構築にあたって、特にこだわりを持って開発された機能はどの機能ですか?
サイトを構築するにあたっては、「Dog and Cat First – すべては犬と猫のために」のコンセプトをカスタマーエクスペリエンスにどう反映させるかにこだわりました。バナーやLook and Feelほか、サイトの機能がコンセプトに沿っているかを幾度も確認しました。
また、課題にも感じていた、最適な製品を選択して頂くということについても、製品ファインダーという機能を搭載しました。ペットオーナー様にペットの情報を入力いただくことで、ペットに最適と思われる製品が推奨される機能です。この製品ファインダーも、約18,000パターンあるサーチエンジンになっており、この機能はロイヤルカナン独自のものになっております。
どうすれば、お客様がECサイト上で迷わずに検索して、最適な製品を選んで頂けるかを突き詰めた結果であると感じています。
初回ローンチから現在約2年半が経つと思うのですが、初回リリースから今までに至るまでに感じたことはどういったことでしょうか。
初回のローンチから2年半が経ち、おかげさまで順調にマイ ロイヤルカナンの認知も高まり、また売上も順調に伸びてきている現状です。
しかし、より良いECサイトにするために、まだまだ改善すべきことがあると感じているのも事実です。実際にECサイトの運営を開始すると、ユーザー様の目線ではなくメーカー目線で作ってしまっていたギャップの部分が見えてきました。そのため、初回のローンチから今までは、ユーザー様の目線に立った時に見えてきた課題を、一つずつ改善しています。
例えば、決済のフローに関しても、実際に使ってみると、最後の購入完了までのステップが多く、時間がかかるなと感じました。ではこれをシステムに手を入れてどう短くできるか、といったことを考えたり、また開発とまで行かなくてもサイト上での言葉の使い方や、説明の仕方を変えるだけでも、大きく変わるものがあったりと、小さなものから大きなものまで、改善を重ねております。
『マイ ロイヤルカナン』を立ち上げられて、良かったと強く感じることはどういった部分にありますか?
昨今はデジタル化が進み、以前は直接関わりを持つことができなかったペットオーナー様に対して、インターネットを通じて直接コミュニケーションができる世界が来ています。ECサイトを自社で持ち、コミュニケーションの窓口を広げられるという点においては、メーカーとしての大きな強みであると考えています。
我々も、『マイ ロイヤルカナン』を立ち上げる以前は、専門店様や動物病院の医師という専門家の方々を通じて、我々の犬や猫に対する想いを届けていただくしかありませんでしたが今は、『マイ ロイヤルカナン』を通じて、直接お客様をブランドエンゲージする活動ができるようになりました。
また、『マイ ロイヤルカナン』の中にはEコマース機能だけでなく、SNS機能がありコミュニティサイトとしての機能もあります。このコミュニティサイトでは、お客様同士でのコミュニケーションが取れ、専門家の方々へお悩みを相談することもできます。こういったコミュニケーションを通じて、お客様がお持ちの悩みを知ることで、我々はヒントをいただいているということになります。お客様と直接繋がりを持ち、得たご意見を、製品開発のみならず次なるサービスにも繋げていけるのではと思っております。
今後の会社の展望と『マイ ロイヤルカナン』のサイトの未来への想いを聞かせてください。
ロイヤルカナンは引き続き「一頭でも多くの犬や猫を最適な栄養状態にする」という使命を追求しながら、製品の研究や開発を行っていきます。その上で、『マイ ロイヤルカナン』は、その時代応じた、最適なデジタルプラットフォームでありたいと思っています。
お客様は、ご自宅のワンちゃんネコちゃんにあげるフードのブランド名までは意識されていないのではないでしょうか。ゆえに、ロイヤルカナンというブランドを意識しないまま、弊社製品を使い続けていただいているお客様も少なくないかもしれません。お客様の、ワンちゃんネコちゃんが、成長していく過程において、最適な栄養ニーズに基づいて開発されたごはんを食べていただくチャンスを、『マイ ロイヤルカナン』を通してどんどん作っていくことも私たちのミッションでもあります。
最後に、エスキュービズムに今後期待することなどお伺いできますでしょうか。
現在プロジェクトも開始から時間が経ち、エスキュービズムさんにも我々のビジネスをご理解いただき、思いの丈を1から10まで話さずとも意図を汲み取っていただける、という大変良好な関係構築ができていると思います。
その上で、今後もより深く当社の理念や、犬や猫への想いをご理解いただきながら、システムの専門家として、新しいテクノロジーを使ったご提案や、我々の要望だけでなく、『マイ ロイヤルカナン』がより良くなるために積極的なご提案を頂きたく思っております。そういった厚みのある、サポートやサービスを期待しております。