レガシーシステムから脱却し
リアルタイムでデータをスムーズに使える
オープンスペースを整備
フォーエバーリビングプロダクツ ジャパン 有限会社 様
フォーエバーリビングプロダクツ ジャパン 有限会社 様
フォーエバーリビングプロダクツ ジャパン様が運営する会員向けネット注文サイトは、食品や化粧品の他、セット商品や定期購入の申し込みなども行えるECサイトです。
今回のリニューアルで従来のシステムから脱却し、データを一元管理できるようオープンスペースを整備しました。必要なデータをリアルタイムで取得できるようになり、より正確な数値予測や戦略立案が可能になりました。
リニューアル後も、ユーザである会員様はもちろん、各種データを取り扱うスタッフの皆さんにとっても使いやすいサイトを時代に合わせて追及するため、エスキュービズムが伴走させていただいています。
世界160ヶ国以上に展開してアロエベラの食品と化粧品を扱うフォーエバーリビングプロダクツ。 これまで運用していたシステムの老朽化に伴い、ECサイトのリニューアルとデータ管理システムの大幅なリニューアルを行いました。 豊富なカスタマイズの実績からEC-ORANGEを採用し、今後はORANGE MAのさらなる活用も予定されています。 ローンチして1年が経ち、リニューアルしたECサイトも顧客から高評価を得ています。
フォーエバーリビングプロダクツ ジャパン 有限会社の業務本部 本部長のニール・ハーズ‐ジョーンズ様、 IT部 アプリケーショングループ リーダーの吉田善之様に、リニューアルプロジェクトの開発経緯や今後の展望を語っていただきました。
まず貴社の事業内容を教えてください。
ハーズ‐
ジョーンズ氏:
弊社はセールスマーケティング企業で、主力商品としてアロエベラジュースを扱っています。
2023年6月29日に、日本での事業開始からちょうど40周年の節目を迎えました。
プロジェクトが開始された背景・経緯を教えてください。
吉田氏:
ここ数年、システム老朽化に伴う課題の解決の道を探ってきました。
システムが古いと、経営陣や顧客の皆様からのニーズに応えられないシーンも出てきてしまいます。
特に、ECサイトのユーザビリティやセキュリティ要件といった課題は喫緊のものとしてあり、レガシーシステムからの脱却はまさに「待ったなし」という状況にありました。
そのため、ECサイトと、販売管理などの基本的な中央システムの刷新を決断しました。
プロジェクトを推進される上では、どのような課題があったのでしょうか。
吉田氏:
メインフレームで動いていたものを、少しずつオープンシステムに移動させるということをこの約10年の間に行ってきました。
しかし、メインフレームのデータと、新しくオープンスペースに移したデータ同士はうまく連携されていない状態が続いていました。
具体的には、顧客情報はオープンスペースにあるのに、注文管理はメインフレームにあってデータ連携ができず、売上分析が月末にならないとできない、などの不便な点がありました。
そこで、本プロジェクトでは売上、注文、在庫といったデータを1つに集約するシステムを構築したいと考えていました。
データ連携をスムーズにして、各数字の見える化を推進したいというのがプロジェクトの出発点です。
EC-ORANGEを知ったきっかけを教えてください。
吉田氏:
担当者がいろいろなサービスを調査していく中で、カスタマイズが可能なオープンソースのECパッケージが弊社に合っているという結論に至りました。
その条件に合致するサービスを探していた時に御社の紹介記事を見つけ、こちらにお願いしようという判断になりました。
EC-ORANGEを選んでいただいた理由のうち最も「決め手」となったのは何でしょうか。
吉田氏:
EC-ORANGEは、カスタマイズの実績が豊富であることが一番の決め手になりました。
弊社の業態に合わせて柔軟なカスタムが可能であること、そして将来的にライセンスを弊社が管理できる選択肢があるということも決め手の一つになっています。
開発を丸投げするのではなく、パートナーシップを提携して共に歩んでいけるというサービスを探していたので、この2点はどちらも優先順位がつけられないほど、共に重視したい点と言えると思います。
プロジェクト開始からローンチまで、実際にプロジェクトを進行していかがでしたか。苦労した点や、ポイントとなった出来事などがあれば教えてください。
吉田氏:
営業サイドで言えば、部門が業務全体を包括的に把握できていないために、苦労してしまうことはありましたね。
全体像が見えていない状態でプロジェクトを動かしたので、仕様確認の段階で変更や追加が出てしまいました。
トライアンドエラーで手戻りも多く、そのために開発スケジュールが伸びてしまったりと、伴走していただいたエスキュービズムさんにもご苦労をおかけしてしまったと思います。
2023年1月にローンチされましたが、サービスを開始し、実際に使われていかがでしたか。
吉田氏:
社内の営業、受注センターといったバックオフィスでは、システムが変わったことで業務のやり方も大きく変わったので、従業員が新しいシステムに慣れるまでは時間を要しました。
バックオフィスでは混乱も見られましたが、フロント部分であるECサイトでは比較的年配のご利用者様が多いにも関わらず、混乱はほぼありませんでした。
通常、年齢層の高い顧客が多いと、システムや操作手順が少し変わるだけでも「使いにくい」、「(慣れている)以前のサイトの方が良かった」というクレームが増えると想定します。
当然、今回も同様のコメントをいただくと覚悟をしてECサイトの刷新に踏み切りました。
率直に申し上げれば、ローンチした直後の23年1月は、ネット注文数が一気に下がりました。「サイトがリニューアルしたばかりで、操作がよく分からないから」という理由で電話注文をされたお客様もいらっしゃいます。
しかし、2月以降はネット注文数が例年並みに戻っていますし、ネットと電話を合わせた総合的な注文数は増加傾向にあるので、1月の現象は一時的なものであったと考えています。
お客様はスムーズに新しいECサイトを使いこなしていらっしゃいます。
EC-ORANGEのシンプルなUIだからこそ、お客様に受け入れてもらえたのだと考えています。
では、機能面で特にご満足いただけている部分など、実際に利用した感想などありましたら教えてください。
吉田氏:
お客様からは、「商品検索」、「商品選び」、「決済」というフローがより一般的になって分かりやすくなったというお声をいただいています。
社内では、顧客情報や注文履歴、配送や在庫管理といった情報が1つに集約されることで、販売に関するデータを素早くチェックできるようになったのが、大きなメリットとして受け止められています。
それぞれの数字がリアルタイムに見えるようになったことで、より正確な予測や戦略が立てられるようになりました。
ローンチ後も現在まで1年以上、エスキュービズムが伴走させていただいています。 追加開発を含め、ORANGE MAの導入などリリース後の取り組みについて教えてください。
吉田氏:
弊社としてはナーチャリングを重視しているため、ORANGE
MAはこれから積極的に活用していく方針です。
今回、EC-ORANGEで販売や顧客、在庫管理といったシステムを構築していただきましたが、これ以外にも集約データに加えたい周辺システムがいくつか残っています。
それをどのように扱うかを考えた時には、今後一緒に検討をしていただけたらと考えています。
ハーズ‐
ジョーンズ氏:
稼働して1年経ってみると、「使えるようになるまでにどうしてこれだけ長い期間がかかるのだろう」という思いもあります。
一つには、弊社の旧ECサイトが使いにくいものであり、それを現在の普遍的なものに変えていくのに時間がかかったということもあるでしょう。
弊社では、2019年頃にも比較的大規模なECサイトリニューアルを行っていたのですが、その時にEC-ORANGEを知っていれば、2023年のリニューアルももっと効率よく行えたのかもしれません。
今後ご検討されていることや、EC-ORANGEやエスキュービズムに期待していることがありましたら教えてください。
ハーズ‐
ジョーンズ氏:
次に着手するのは、AIをどのように取り入れていくかということです。
生成AIを使って、現在のマーケティング戦略から一歩進んだ施策を生み出したいという展望があります。
これからユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスを向上させるためには、AIの活用が不可欠になるでしょう。
顧客にとって使いやすいサイトを時代に合わせて追求していきたいですね。
EC-ORANGEに期待するのは、今弊社が持っているデータをさらに有効かつスムーズに使えるような土壌を整備することです。
ビッグデータのような大量のデータを処理するのではなく、情報を素早く取り出したり、お客様が求めているものをより早く提供できたりといった技術面で、これからも協力をお願いしたいと考えています。
これからは即応性がさらに重要になってくる社会が到来するはずです。
それは弊社がEC-ORANGEにお願いした理由の大きな部分を占めています。
スピードと質を両立するのは難しいことですが、AI時代の到来に備えて、スピード感も伴った進化を遂げていきたいと考えています。
吉田氏:
EC-ORANGEは、弊社の中核を担うシステムです。
これからはこのシステムを活かして、集約したデータをどのように使っていくかといったシナリオ作り、データ活用の応用を目指していきたいですね。
取り急ぎ、2024年は、集約したデータを分析して目に見える成果や売上増加につなげられるようにと検討しています。
弊社のIT部門は、営業が成果を上げるための「ツール」を提供する部門です。良い道具を提供して営業利益、ひいては企業全体が成長していけるような未来図を描いていきます。