国内トップクラスのワイン専門商社がタブレットPOSを導入。
最大9割の販売外業務を削減し、接客の量と質の向上を実現。
エノテカ株式会社 様
エノテカ株式会社 様
毎年、次々と商品が入れ替わり売り方や値付けも様々、オペレーションも変わっていくワインショップで、変化に柔軟に対応するためにORANGE POSを導入。商品管理の効率化に成功し、販売外業務を大幅に削減。イベントやセミナーなどお客様に向いた業務を増加させる結果に。
エノテカ株式会社は、「卸売」「小売」「通販」と3つのチャネルで展開する日本トップクラスのワイン専門商社です。同社のワインショップでは、2015年にPOSシステムを一新したばかりでしたが、タブレットPOSを採用する「ORANGE POS」を導入。その理由や成果について、お聞きしました。
まずは御社の事業内容を教えてください
エノテカ株式会社は、1988年に創業したワイン専門の商社です。ワインの輸入から自社ワインショップの展開、通販事業、卸売まで、一貫して行っていることを強みとしており、現在は国内外におよそ80のワインショップを展開しています。
創業以来、「すべてのワイン愛好家のために奉仕する」ことに注力し、ワイン商として発展をつづけてまいりました。当社の将来ビジョンである「アジアNo.1ブランドの確立」に向け、次の時代を見据えた体制づくりを行っているところです。
ORANGE POSを導入した経緯を教えてください
これまで弊社のワインショップでは、レガシーPOS(据え置き型POS)を使っていました。しかし、ワインは次々と商品が入れ替わり、売り方や値付けもさまざま。これに伴い、毎年オペレーションが変わっていくような状況があります。そうした中で、レガシーPOSではオペレーションの変化にシステムがついていけないという課題がありました。
しかしながら、当初からタブレットPOSの導入がオプションとしてあったわけではありませんでした。現場からの要望や中期戦略を見据えた要件でレガシーPOSのシステム改修を行うと、導入時と同じぐらいの改修コストがかかってしまうことがわかったのです。そこで、「ローコストかつフットワーク軽く改修ができるシステム」を追求し、結果、タブレットPOSに行きつき、導入を検討することにいたしました。
数あるタブレットPOSシステムの中でORANGE POSを選んだのは、もうひとつあった課題を解決することができるためです。それは、実店舗とECでの情報管理の一元化です。
これまで、実店舗とECでは別々のシステムで情報管理を行っていたために、一元化ができていませんでした。まだ、システム統合までは実現していませんが、中期戦略の中で、データを一元化して顧客の購買や行動の分析の上、より良い情報・サービスを提供したいと考えています。
タブレットPOSの導入によってオペレーションはどのように変化しましたか?
もっとも大きな変化は、商品管理の効率化です。
すべてのワインボトルには、輸入時からJANコード(バーコード)が貼り付けられてますが、従来のシステムではこのJANコードをそのまま取り込むことができず、一つひとつのボトルに新たなJANコードラベルを印刷して添付していました。毎日何千本、年間にすると何百万本にもなりますから、小さな事とは言え、作業負担の大きさは計り知れません。
ORANGE POSにより、輸入時のJANコードがそのまま使えるようになったことで、店頭に並べるまでの作業時間を約9割も削減することに成功しています。また、JANコードの発行や添付ミスのリスクも減り、在庫管理全般にわたって効率化が図られました。
また、これまでのレガシーPOSではボタン操作を覚えるだけでも大変でしたが、タブレットPOSでは必要な機能のみを画面上に表示させることができるため、新しいスタッフが入った際の研修期間も短縮できましたね。今は誰もがスマートフォンを持っていますから、タブレットPOS導入時の既存スタッフへの周知もスムーズでした。
接客時にオペレーションについては、「ミックス&マッチ」機能が業務効率アップに貢献しています。これは、「対象商品を3本買うと割引になる」といったセット販売商品を自動的に判別する機能。たくさんの商品の中から対象商品を見極めることは新人スタッフにとっては難しいものですが、この機能によってミスなく販売できるようになりました。
作業時間や研修期間が削減できたことは、どんな成果につながりましたか?
JANコードラベルを貼り付けるといった、お客様との接点のない"販売外業務"が削減されたことで、接客の場数を増やすことができたり一人ひとりのお客様にかける接客時間を長くしたり、ワイン販売本来の業務に注力できるようになりました。オペレーションのシステム化ができたことで、経験の少ないスタッフとベテランのスタッフとのスキルの差を小さくする土台作りができたことも成果のひとつ。
お店の外に出て、新しい取り組みができるようになったことも大きな変化です。たとえば、店頭でテイスティングイベントを実施したり、弊社の強みでもあるワインの生産者を招いたイベントを開催したりといったことを実際に行っています。また、店舗によっては近隣のテナントや法人とコラボレーションしたイベント・セミナーなども開催。店外・店内イベント開催数はこれまでの2倍以上になり、同時に売上も2倍以上に増えています。
また、バックヤード内で「お客様に向いた作業」に当たれる時間が増えたことも、成果のひとつです。お客様向けのメールマガジンやSNSを活用した店舗独自の情報発信、店頭で案内していたイベントのWeb予約を可能としたり、効率化による波及効果は大きいですね。また、「オペレーションコスト」という観点が社内に広がったのは、大きな収穫でした。
お話の中で「中期戦略」という言葉が出てきました。エノテカの今後について教えてください
まずは、顧客情報基盤を整備して、さきほどもお話した実店舗とECでのデータベースの一元化を行うことですね。それによって、より精度の高い「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」を実現すると共に、「お客様が実店舗・ECといったチャネルの隔たりを意識せず、自由にエノテカを利用できる体制」を整えていきたいです。
またORANGE POSは、比較的早くローコストで改修ができるとのことで、現場の声をシステムに反映できるようにしていきたいと考えています。店舗とスタッフの困りごとや不満を取り除くことで、モチベーションアップにつなげていくためです。
経営面では現在、年間5~6店のペースで新規出店を図っていますが、今後も新店オープンは続けていきたいと考えています。数年前までとは違い大型店が出しにくい状況になっていますから、新規出店は自ずと小規模店になります。そうなれば、人員効率を上げていくことは必須。システム改修を含めたオペレーションの効率化によって、より幅広い展開が実現できればと思います。